納骨堂と父

うちの父は20年前に亡くなりましたがお墓は造りませんでした。
何故ならお墓を造ったとしても長男の弟は転勤族ですし、娘の私も実家から遠く離れた土地に住んでいるものですから将来そこの土地に住む可能性は少ないですし、この先、生きてる母だって地元に住んでいるかどうかもわからないからです。
ですからお墓は造らず納骨堂だけを用意しました。
父が亡くなった頃に父がお世話になったお寺は新しく建て直す事が正式に決まっておりましたので、納骨堂も一応、予約という事でしたので、母と弟で相談してお墓を持たずに納骨堂だけを持っていようと決めたようです。最終的には長男の弟が父や母の仏壇を見ていくことになるので私は弟に全て任せる事にしましたので一任しました。
納骨堂を予約するにあたって、納骨堂の位置を選ぶ時、お寺への寄付金の額によって場所や格が変わるということを母から聞きました。
父の父親である私の祖父も同じお寺の納骨堂を持つことになっておりましたので『じいちゃんは寄付金いくらなのかな?』と聞くと『じいちゃんは一番良い場所だわ』とのことで…金額ははっきりとは覚えていませんが100万円以上だった記憶があります。
私は本当は祖父の隣に父の納骨堂を用意したいと思っていました。
父は次男でしたから祖父と同じ納殿堂に入ることはできませんし、父と仲が良かった長男の叔父もいずれは祖父の納骨堂に入るから隣にあったら父も寂しくないだろうなと考えたからです。
ですが…弟はそんなに寄付はできないから中間くらいの額にしようと母に言いましたので意見もせずにそう決めました。
納骨堂が出来上がって初めて見に行った時に父の納骨堂の場所は一番窓側の明るい場所にありました。
母が『窓際は日が当たるから色あせやすいから寄付金の安い人がこの辺の場所になるらしいのよ。』と言いました。それより安い人は入口近辺とか一番下の段になるのだとも言ってました。
祖父の場所を見に行くと一番奥の日の当たらない場所でした。
扉など全体的に大きく立派でした。でも、日が当たらないので暗く寂しい気がしました。
それに比べ父の場所は明るく外の景色を見渡せる場所で、私は『この場所って凄く良かったね!きっとパパも気に入ってるよ!』と母に言いました。
父は庭で植木をいじるのが趣味で窓からそとの外の地元の山の景色を見るのが好きな人でした。
だから、きっとその場所を気に入って喜んでいると思うんです。
色あせたとしても関係ないなと私は自信をもって言えます。